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あなたの燃える手で

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すれ違いラプソディ

30 最終話
あの傘。玄関に立てかけられた青空のような水色の傘。
大通り沿いの2階にあるカフェ 『フリージア』からみた傘。
千夜がマリィさんと腕を組み、肩を寄せ合って入っていた傘だ。まひるの脳裏
に、あの時のことがフラッシュバックのように蘇る。
しかし、自分にはそれを咎める資格はない。
まひるはそう自覚すると、もう一つグラスを出し、氷を3つ入れた。

一方千夜は、ベッドに腰掛けたままタバコに火を点けた。
薄暗い部屋に紫煙がゆっくりと立ち上り、幻のように消えていく。そんな煙の
行方を見つめる千夜の前に、両手にグラスを持ったまひるがやって来た。

「まひるも飲むの?」
「うん。たまにはね……。あなたがどこかへ行きそうで辛いから」
まひるは『すれ違いラプソディ』の歌詞を言いながら、千夜の隣に座った。
「どこへも行かないよ……」
千夜は歌詞に応えるように、まひるからグラスを受け取った。
「今夜は一緒に飲みたい気分なの。あなたが消えてしまいそうで辛いから」
「消えたりしないよ。煙じゃないんだから……」
「あたしはグラスを引き寄せて、同じ場所に口づける」
「グラスじゃなくて……」
「うん」
二人の唇が近づいて、そっと重なり、そして離れた。
「二人には少し狭いベッド。あなたはタバコの味のキスをする」
「うふふっ。本当に歌詞通りだね」
「そうね。でもまだ最後の一行があるわ」
「えっ……?」
「だって 二人がすれ違っていくようで辛いから」
そして二人は熱く見つめ合った。二人の目からは、もう涙が溢れ出そうだ。
「もうどこにも行かないよ。もうすれ違わないよ。まひる……」
「うん。あたしも、あたしももうすれ違わない。千夜……」
グラスを持ったまま、二人は互いの背に両手を回し、そのままきつく抱きしめ
合った。
「千夜、乾杯しよう」
「うん。カンパ~イ」
二人の目から、涙が流れ落ちた。


「千夜、もう一杯飲む?」
「うん。まひるも飲もう」
「飲んじゃおうか? 明日休みだしね」
「うん。飲もう飲もう」
まひるはキッチンにバーボンのボトルを取りに行った。するとその後ろから、
千夜が付いてきた。
「どうしたの? 千夜」
「こ・お・り・だよ、氷……。忘れてたでしょう」
「あっ、そっか」
「忘れるだろうなぁって思ったけど、やっぱり忘れてた」
「もう、千夜ったらぁ。ねぇ千夜、改めて乾杯しよう」
「うん。カンパ~イ」
「カンパ~イ」
グラスの当たる硬質な音が、風鈴のように響いた。

EPILOGUE
狭いベッドの中で、二人は抱き合いキスをした。
いつものようにまひるの手が千夜の股間に伸び、濡れた亀裂に潜り込む。
「あぁん、まひるぅ」
「今夜は朝までよ」
「えぇ、そんなにぃ?」
「そう、いっぱい虐めてあげる。あたしの気持ちがもっと伝わるように」
「うん。いっぱい虐めて。まひるの気持ちがもっともっと伝わるように」
千屋がそう言い終わると、まひるは千夜の上に覆いかぶさった。


  ーENDー

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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