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あなたの燃える手で

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すれ違いラプソディ

21
雨のタクシー乗り場には、黒いタクシーが数台並んでいました。でもそんな中
に、一台だけいる黄色いタクシーが目を引きます。雨の割にはタクシー待ちの
お客さんは少なくて、順番の妙でしょうか、あたしたちはその黄色いタクシー
に乗り込んだのです。
二人で後部座先に乗り込むと、マリィさんは隣駅の駅前を告げました。
隣駅の裏通りに『ハーモニー』というラブホテルがあって、そこがここから一
番近いホテルなのです。
「はい。駅前ですね」
その声を聞いて、初めて運転手さんが女性だとわかりました。

車が走り出すと、マリィさんはあたしの手を握ってきました。でも手はすぐに
太ももに置かれたのです。あたしがチラリとマリィさんを見ると、彼女は横目
でアイコンタクトをしていて、その目は "脚を開きなさい" と言っているよう
に見えます。だからあたしはバッグを膝近くにおいて、マリィさんの手を隠し
てから脚を開いたのです。
すると手は、すぐにあたしの脚の間に滑り込んできたのです。
運転手さんはもちろん前を見ていますが、なんとなく分かるのでしょうか、バ
ックミラーでチラチラとあたし達の様子を見ているようです。
マリィさんはそんなこと御構い無しに、あたしの太ももを触り続けています。
でもあたしは運転手さんが気になって落ち着きません。
暫くそんな時間が続いた時、運転手さんが言いました。
「仲がおよろしいんですねぇ」
やはり、運転手は全てお見通しだったようだ。
「えっ?」
「ほんの数分前に乗ったお客様も、そんな感じのお二人でしたので……」
「でもあたしたち女同士だし……、ねぇ、千夜」
あたしはハイと言いながら、頷くばかりです。
「でも、そのお客様も女性お二人でした。行き先も同じ隣駅の駅前で」
「そうなの?」
「はい。もうすぐ駅前ですけど、裏まで行きましょうか?」
「えぇ、お願いします。気が効くのね」
運転手さんは、ニッコリと微笑みました。



タクシーを降りると、雨は止んでいた。
通り沿いのすぐ近くに、ホテルの入口が見えている。
由梨はあたしのすぐ後ろを、チョコチョコと小さな歩幅で歩いている。
「まひる先輩。本当にいいんですか。こんなところ……」
「うん。もちろん。それにあたしが誘ってるんだから」
「それは、そうですけどぉ……」
「由梨だって、行きたいでしょう?」
「はい」
「ならいいじゃない」
入口には『ホテル ハーモニー』と書かれた看板。そしてドアを挟むように二
つの観葉植物が置かれている。そんな観葉植物の間を入ると、ガラスの自動ド
アが開いた。そのままフロントまで歩くと、あたしは506号室の鍵をフロント
に出した。先の料金を払うと今度はエレベーターへと歩く。
エレベーターは1階で待っており、あたしたちを音もなく5階へと運んだ。
部屋の前まで歩くと鍵穴に鍵を差し込む。その音が、妙に廊下に響いた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土