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あなたの燃える手で

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すれ違いラプソディ

18
「真昼先輩、あたしやっぱり、フラれちゃったみたいです」
会社の後輩一ノ瀬由梨が現れたのは、マリィさんと相合傘で歩く千夜を見た直
後のことだった。
そもそもあたしがここフリージアにいるのは、由梨から相談に乗って欲しいこ
とがあると頼まれたからだ。
「えっ? フラれた? この間言ってた片思いの彼?」
「そうです。でも、まぁ、フラれたって言っても、片思いですからぁ……」
「そうなの。それって、告白でもしたわけ?」
「いえっ、そんなっ、告白だなんて……、無理無理」
彼女は顔の前で、お断りとばかりに片手を振った。
「じゃあどうして……?」
「その、あのぅ、なんていうか、あたし、男の人ダメかもです」
「えっ?」
「だからぁ、女の人の方がいい、って言うかぁ」
「えっ? 由梨ちゃんそうなの?」 
あたし的にはもちろん抵抗はない。むしろ味方が増えたようで、ちょっと嬉し
いくらいだ。
「それでぇ、もしかしたらまひる先輩もそうじゃないかなぁって……?」
「えっ? あたし?」
「えぇ。違いますぅ?」
「あっ、あたしは……」
「あっ、ごめんなさい。なんかすごく失礼なこと聞いちゃって」
「由梨ちゃん。相談って……」
「いいんです。本当にごめんなさい」
彼女は申し訳なさそうに、ペコペコと何度も頭を下げた。
「あたしね……」
「いいです。本当にいいんです。もしそうだとしても、そうだなんて言いづら
いでしょうし。あたし、自分のことばっかり考えちゃって……」
「ううん、違うの。あたしもそうなの」
「えっ?」
その瞬間。彼女は我に返ったように頭を止めると、あたしの顔をマジマジと見
つめた。

もし千夜と上手くいっていたら、打ち明けることはなかっただろう。でもあた
しの心には今、千夜との間に亀裂が生じている。だから、このタイミングだか
ら、私はこの子に打ち明けたのかもしれない。

「先輩……」
そのあと何と続ければいいのかわからなかったのだろう。彼女はそのまま沈黙
した。だからあたしは、もう一度はこう聞いてあげた。
「それで、相談っていうのは、なんだっけ?」
「えっ、あっ、あのう、そのぉ、だからぁ、もし良ければ、あたしとぉ……」
「はっきり言って、由梨ちゃん」
「もちろん先輩さえ良ければですけどぉ、あたしと付き合ってもらえたらな
ぁ……、なんて……。これはもちろん先輩次第で、あたしは全然……」
「あらっ、全然なの?」
「そういう全然じゃなくて」
「じゃぁどういう全然?」
「それは、つまりそのう……。……好きです。真昼先輩」

まさかこの子に告白されるなんて。それ自体あたしにとっては初体験だった。
でもそんな彼女の真っ直ぐな想いは、剣のように私の心に突き刺さった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土