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あなたの燃える手で

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すれ違いラプソディ




すれ違いラプソデ



PROLOGUE
彼女はタバコを吸う。
それも電子タバコじゃなくて、煙が出るやつ。でもあたしは構わない。あたし
はそんな彼女が好きだし、煙だって気にならない。
そんな事より歌う時、たまに高音がかすれるけど、それをやめてほしい。
だってそれだけで、歌が泣いているように聞こえるから……。
彼女はシンガー、歌う人だ。でも作詞も作曲も全部あたし。だから、詩も音も
大切にして歌ってほしい。
だってそれだけで、二人がすれ違っていくような気がするから……。



1
『Glass sky』は、千夜の曲で一番の人気曲だ。
タイトルのGlass skyは、本当は "ガラスの空" でもよかったんだけど、アップ
テンポの曲ということもあって、英語のタイトルにした。
あぁ、そっか……。千夜っていうのはあたしの彼女で、『白井千夜』っていう
名前でライブハウス『魔女と伯爵』で歌ってるあたしの彼女。
って言っても、あたしも女だけど。要するにあたしたちはそういう関係。
まっ、今時珍しくも無いか……。

二人の出会いは大学の時。軽音楽部でバンドを組んで、しばらく一緒に活動し
てた。でも卒業が近づいて、あたしは就職。でも彼女はプロへの道を諦めきれ
なくて、今もこうして歌ってる。
あたし達がこういう関係になったのは、大学を卒業してからだ。
卒業して暫くは離れ離れになっていたけど、ある日彼女が突然あたしのアパー
トにやってきて、 "曲書いてくれない?" と言ったのが始まりだった。
もともとバンド時代もあたしが作詞作曲をしていたし、この世界にはまだ未練
があったから、彼女に言われるままに曲を書いた。だから彼女がシンガー、あ
たしがソングライターといった位置付け。あたしはステージに立たないけど。
そして気がつくと、あたし達は同棲するようになっていた。


「千夜。ねぇ、千夜。起きてよぉ。起きてってばぁ……」
二人で住んでる二間のアパート。その小さな窓が、夕日に染まっている。
「なによぉ、まひるぅ。もう時間?」
「そうだよ。もう、飲みすぎだよぉ。毎日毎日。体壊すよぉ」
「大丈夫よ。それより、今何時ぃ?」
「もう6時だよ。今夜は8時からでしょう。そろそろ起きなきゃ」
「うぅ~ん」
彼女はフラフラとベッドから降りると、着ていたパジャマ替わりの白いTシャ
ツとグレーのスウェットを脱いだ。つまりパンティ1枚だけになったワケだ。
「ジーンズ取ってぇ」
「もう、自分でやってよぉ」
「おい、まひるぅ、英まひるぅ。あたしのジーンズを持てぃ」
「なによ千夜。まだ酔っ払ってるのぉ?」
「は・な・ぶ・さ、まひるぅ、あたしのジーンズを持てと言っておるのだぁ」
「はいはい、千夜殿、ジーンズはこれに……」
あたしは仕方なく、彼女にジーンズを持っていった。
「よろしい、苦しゅうない」
そう言って千夜はあたしの首に両手を回すと、全身で寄りかかるようにして顔
を寄せて着た。
「うふぅ~ん、キスしよぉ」
「もう……」
千弥の唇があたしの唇に重なると、すぐに彼女の舌が口に侵入してきた。
それはいつもの、タバコの味のキスだった……。
「ねぇ、まひるぅ」
「なぁ~にぃ?」
「チョットしよっか? ねっ? チョットだけ」
「もう、またぁ?」
「いいでしょう。チョットだけだから。ねっ?」
「もう、だったらジーンズいらないじゃん」
「うふぅ~ん、ごめんよぉ~、まひるぅ~」

やっぱり……。千夜はいつもこう。酔って寝ると、起きた時いつもシタがる。
そしてあたし達は、このままベッドで1時間ほど抱き合うことになる。
だからあたしは、ライブの2時間前に彼女を起こすのだ。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土