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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
怪盗ムーンライト
2013-05-29 Wed 06:30
29
早速40人の客全員の所持品チェックが行われた。
検査は客の持ち物、服、そして体全身に及んだ。しかしルビーはどこからも出
てこなかった。ちなみにルビーの大きさは約3センチだが、回りには装飾が施
され、それを入れれば10センチ以上にはなる。したがって飲み込んだりする
ことは不可能だ。
そして入場券のチェックも同時に行われた。
この入場券は受付で半券が切られ、この半券にも同じ番号が付いている。
帰るときには持っている券を受付に返すことになっている。つまり券を持って
いない者は受付を通っていないことになり、受付に半券だけがある場合、それ
は現在入場中と言うことになる。
客は全員が半券を持っており、受付に残されている半券と照合した結果、全て
の券は受付の半券と合致した。これは全員が受付を通って入場していることに
なる。つまりこの中にムーンライトがいるとすれば、それは客として入場し、
今現在ルビーを所持していることになる。しかしルビーは誰も持っていない。

「竜胆さん、これってどういうことです? ルビーもムーンライトも消えちゃ
うなんて」
「分からん、分からんよ」
「ムーンライトは確かにここにいた、それはこの礼状が証拠だ」
「でも今はいない。宝石と一緒に消えた。消えてしまった……」
「そんなヒロミさん、そんなわけありませんよ」
「じゃ、どこにいるって言うの?」
「それは……、あたしにも、分かりませんけど」
「どうやらわたしは、ヤツを甘く見ていたようだよ」
「ジェシカさん……」
ジェシカが落ち込んでいるのが、後ろ姿でもわかった。
「発煙筒で視界を奪い、その隙に警報装置を切り、獲物を盗んで礼状を置いて
消える。まったくミラクルだ。悔しいがヤツはパーフェクトだよ。世界中の警
察が取り逃がすのもよく分かる」
「今回も我々の負けだな」
「そんな、竜胆さんまで」
「でも、この密室から人間と宝石が消えてしまった。ムーンライトはどこから
来てどこへ消えたんだ。センサーのスイッチを切り、いや、百歩譲ってセン
サーのスイッチは外から切れるとしても、指紋認証は……? あたしの指紋
じゃなければ開かないはずのガラスケースを、どうやって開けた」
「もしかしたら、一旦この部屋のどこかに隠して、後で取りに来るとか……」
「当然この部屋の捜索はするが、おそらく出てはこないだろう」
「ですよね……」
カンナも腕を組んで考えた。
「あぁーもう、どうなっちゃってるんだろう。まだこの部屋のどこかに隠れて
るのかな?」
ふと見上げた天上に、白煙を出す時に開けた排煙ダクトの穴がある。
「まさかなぁ~」

約2時間に及んだ所持品チェックも終わり、客は全員帰された。
その際の身分証明もチェックされたのは言うまでもない。
「消えてしまった。本当に、まるで月が雲で隠れるように」
「そんな竜胆さん、諦めないでくださいよ」
「いや、そう言うわけではないが……」
「チャンスはあと1回、『クラリスの首飾り』だ」
「そうですよ。今度こそ、3度目の正直です」
カンナは1人意気を吐いた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-26 Sun 09:02
28
展示室内に徐々に視界が戻って来た。
「ルビーは、ルビーはどうした……」
まだ白く煙る室内を、竜胆ら4人はガラスケースに駆け寄った。
「無い、無いぞ……」
「ホントだ、無い。どうして、ルビーはどこにいったんです?」
「ルビーも煙のように消えたとでも……、まさか」
「どうやって指紋認証や重要感知を……、警報音は鳴らなかった」
「確かにそうですね。ホントにどうやったんでしょう」
「重量に変化があれば鳴るはずなのに……」
「竜胆、見ろ、センサーのスイッチが切られている」
「えっ? あっ……」
竜胆はその場にしゃがむと、センサーのスイッチを覗き込んだ。通常の位置か
らでは見えないスイッチが、オフになっている。
「どうしてここにスイッチがあることを知っていたんだ?」
その時、展示室の一隅に集められた、40人の客達をジェシカが見た。
「大丈夫、ヤツはMouse in a trapだ」
「えっ? ネズミ捕り……??? ヒロミさん今のは?」
「袋のネズミだ、って意味よ」
「あっ、なるほど」
「カンナの『鍵締めちゃうぞ作戦』がうまくいったわ。煙が出てドアが閉めら
れてから、それこそネズミ1匹この部屋から出ていないもの」
「そうか、そうですよね。あたし自分で考えたのに……、忘れてました」
「あの客達の中に、怪盗ムーンライトがいる……」
「はずですよね」
ヒロミも期待を込めて言った。
「あっ、竜胆さん、あれ……。また布の下に……」
「まさか……」

台座に掛かった赤いベルベット。その下に何か薄いものが差し込まれたような
段が付いている。
カンナはそれを指差しているのだ。
竜胆はベルベットをまくった。するとそこにはまたあの赤い洋封筒があった。
「礼状」と書かれたその中には、三つ折りになった便箋が入っている。
「礼状。これって、また……」
カンナが不安そうな目を竜胆に向けた。
竜胆は便箋を引き抜くとそれを読んだ。

>>>

『アルセーヌの瞳』 は我が手の中に。
この手に抱かれし物は全て消えゆく。
それが運命。

怪盗ムーンライト

>>>

「や、や、やっぱりムーンライト、ムーンライトがこの中にいる」
カンナはもう過呼吸気味だ。
「よし、所持品チェックだ」
4人は40人の客に向かって歩き始めた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-25 Sat 06:17
27
犯行予告の土曜日、時刻は午後12時になろうとしていた。
竜胆はもう1度確認するように、展示室内を見回した。
展示室内には約40人の客がいる。入口のドアの両脇には警官が立ち、部屋の
中央に置かれたガラスケースの回りには、半径2メートル以内に近づけないよ
うにロープが張られている。ロープの内側には、ケースを挟んで2人の警官が
待機している。
竜胆、ジェシカ、ヒロミ、カンナの私服組は、絶えず室内を巡回していた。
「よし、いいだろう」
竜胆は小さく頷いた。
警備体制に抜かりはなく、配置も完璧だ。入口以外にムーンライトの入り込む
余地はなく、またガラスケースにも誰も近づくことは出来ない。
そして竜胆、ジェシカ、ヒロミ、カンナらが一斉に時計を見た。
時刻は午前11時59分50秒。ムーンライトの予告した時刻まであと10秒だ。
9・8・7・6・心の中で秒読みが始まる。
5・4・3・2・1・ゼ……。
その時竜胆は、どこかで "シュッ" と何かが擦れるような音を聞いた。
次の瞬間、どこかから白煙が猛烈な勢いで吹き出した。
「えっ、なに?」
白煙は1ヶ所ではなく、2ヶ所3ヶ所とその噴出口を増やしていく。しかし炎
は見えない。
「ちっ、発煙筒か……」
室内の客は一斉に悲鳴を上げ、パニックに陥っている。
「落ち着いて、落ち着いてください」
至る所で人が転び、悲鳴が響き渡った。
「火事ではありません。落ち着いて、押さないで……」
「発煙筒だ、ジェシカ、ヒロミ、カンナ……」
しかし竜胆の声も悲鳴に虚しく掻き消され、辺りは数秒で白煙に包まれた。
それは天上にまで及び、狭い展示室内は完全に視界を奪われた。

入口を閉めるべきか? 竜胆は悩んだ。
入口を閉めれば月光をこの室内に閉じ込めることが出来る。しかしそれは同時
にこの煙が晴れるのに時間が掛かることを意味している。
迷っている暇はない。
「入口だ、入口を閉めろ」
「鍵締めちゃうぞ作戦、決行です」
カンナの声がどこかでそれに続いた。
そして入口のドアが閉まる音が聞こえた。
方向感覚を失った客は、張られたロープ内にも入り込み、お互いがぶつかり合
い、かえって動きが取れなくなっていた。
私服の4人も、そんな不規則な人間の波に飲み込まれた。
「皆さん、動かないで……。警察です。大丈夫、火事ではありません」
「これは発煙筒です、毒性はありません。慌てないでください」

その時、竜胆は気が付いた。
そういえば、警報機が鳴らない。今回は重量感知センサーも使っている。もし
ルビーの重さに変化があれば警報音が鳴るはずだ。
それがしないということは、ルビーは無事ということか……。しかしこの煙で
はそれも確認のしようがない。いやそれどころか、ガラスケースの方向も分か
らないのだ。
やがて外からの応援が駆けつけ、入口にロープが張られた後にドアが開けられ
た。そして室内の排気ダクトも開けられ、ようやく煙が晴れてきた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-22 Wed 06:00
26
「土曜日のお昼かぁ。一番混雑しますよねぇ、この時間帯って……」
カンナは竜胆とジェシカを尻目に1人つぶやいた。
「混雑? なるほど確かに混む時間帯ではあるな。月光は人に紛れて」
「しかし、ルビーは前回と同じケースに入っている。ロープを張った回りには
警備の人間もいる。つまり一定の距離を置いて近づけない状況だ。まさか警備
の人間を押しのけて盗むわけにもいくまい」
ジェシカも腕を組んで考え始めた。
「でもムーンライトって、そういう状況でも、今までまんまと盗んで行きまし
たよね」
「確かに」
「いつも裏をかかれるのは警察で……。だから今度はこっちが裏をかいてやり
ましょうよ」
「何か考えがあるのか? カンナ」
「はい。あたし、いいこと考えちゃいました」
「ほう、聞かせてもらおう」
「当日は休館にはしないで、普通にお客さんを入れるんです」
「それで?」
「それで、もし何か起こったら、ドアを閉める」
「ドアを閉める?」
竜胆は不思議そうな顔でカンナを見た。
「Good idea……」
ジェシカはカンナの言わんとしていることが分かったとばかりに頷いた。
「閉じ込める……、ってことだな。カンナ」
「そうです、ジェシカさん。もし何か起こったら、ドアを閉めて展示室内の人
間全員を閉じ込めるんです。3階の展示室の出入り口は1ヶ所、窓ははめ殺し
ですから開きません。出入りできるのは入口のドアからだけです」
「つまりその時、室内にいた人間の中に月光がいるってことか」
「はい、あとは所持品チェックをしてルビーが出てくれば……」
「まぁ、持っていた人間が月光とは限らんが、盗難は防げそうだな」
「はい、どうです? この作戦。名付けて『鍵締めちゃうぞ作戦』です」
「その作戦名はともかく、意外とイケルかもしれないな」 
「ドアの近くに警備の人間がいても、別に不自然ではない。もし強引に出よう
とするヤツがいれば……、それこそ怪しい」
「ムーンライトがどうして昼間の混雑する時間帯を狙ったのか、それは分かり
ませんけど、とにかく閉じ込めてさえしまえれば……」
「よし、取り敢えずそれも考えておこう」
2人がカンナに微笑みかけると、カンナは満足そうな顔で微笑み返した。


『ルパンの宝石展 Ⅱ』の開催前日、七海美術館3階の展示室は前にも増して
厳重な警戒態勢が取られた。
各部屋の盗聴器の有無は勿論、ガラスケースには新たに重量感知が追加され
た。もし感知器が作動すれば警報音が鳴るしくみだ。
防弾ガラスに指紋認証は前回同様で、指紋は今回も竜胆のモノが使われる。
そして今回は搬入時、銀行の金庫から警察の護衛が付き、ルビーがケースに入
れられる直前、その場で宝石鑑定がされた。この鑑定は予告当日まで毎日2回
行われる。24時間の監視体制、防犯カメラ、人員配置などは前回同様だ。
ガラスケースは展示室の中央に設置され、予告日当日は半径2メートル以内に
立ち入られないように、ロープも張られることとなった。
そして客には通し番号を振ったの入場券を配ることになった。

『ルパンの宝石展 Ⅱ』の開催から、1週間は何事もなく過ぎた。
そして犯行予告の土曜日、時刻は正午になろうとしていた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-19 Sun 06:19
25
七海美術館では、5月25日から『ルパンの宝石展 Ⅱ』が開催される。
展示品のメインは『アルセーヌの瞳』と呼ばれる最高美ルビーだ。
今回はジェシカ・アンダーソンの肝いりもあり、前回にも増して人員の増員、
警備体勢、警戒が見直され、まさに万全の体制が取られた。

その頃、七海美術館では小さな騒動が起こっていた。
「館長! 館長……!」
「奈緒子、少しゆっくりさせて頂戴。もう警察の対応に疲れちゃったわ」
七海は事務所に走り込んできた奈緒子に、長い溜息をついた。
「でも、でもまた予告状が……」
「えっ……? また予告状?」
「はい、ポストに……」
それは前回と同じ真っ赤な洋封筒に、黒い文字で "予告状" と書かれている。
奈緒子はそれを七海の机に置いた。
「あぁ、また……」
七海は封筒を開封し、中の三つ折りになった便箋を引っ張り出すと、机に座っ
たままそれを読んだ。

>>>

Sat, June 1, 2013 PM12:00

七海美術館 『ルパンの宝石展 Ⅱ』 に展示する、
最高美のルビー 『アルセーヌの瞳』 をいただきます。
なお当方に絶対の自信あり。十分な警戒をオススメする。

怪盗ムーンライト

>>>

「あぁ、もう、どうしてウチばっかり狙われるの。世界中に素晴らしい美術館
はイッパイあるのに……。ホントにもうどうしてよぉ」
「館長……」
七海は便箋を封筒に戻すと、それを奈緒子に差し出した。
「とにかくコレを警察に……」
「はい」
奈緒子は封筒を受け取ると館長室を出て行った。
「まったくこのままだと、『怪盗ムーンライトの予告状展』が開けそうだわ」
七海は1人で笑うと、傍らのコーヒーを一口飲んだ。


「竜胆さん、たった今、七海美術館にムーランライトからの予告状が届いたそ
うです」
カンナはそれを竜胆に渡した。
彼女の隣にジェシカ・アンダーソンが並び、一緒にそれを覗き込んだ。
「んっ、今回は時間が……」
「確かに……、時間が指定してあるな」
宝石展が開催されてから1週間後の土曜日。それも昼の12時か。
「この日は休館して貰いますか? 竜胆さん」
「そうだな……。どう思う? ジェシカ」
「時間指定には何か意味があるのか。もしそれが分かれば、そこを逆手に取る
という手も……」
ジェシカと竜胆は目を合わせた。
この2人なら今度は逮捕できるかも……。カンナはふとそう思った。

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怪盗ムーンライト
2013-05-18 Sat 06:44
24
「当日ドライバーが歩いた道順であたしを展示室まで案内して」
「はい」
カンナが先頭に立ち、その後ろに3人が付き従った。
「当日は駐車場からこの正面の入口に……」
カンナは自分が先に館内に入るとエレベーターへと歩いた。
「そしてこのエレベーターで3階に上がりました」
カンナが3階のボタンを押すと、エレベーターは音もなく3階へと到着した。
「そしてここから展示室へと向かって……」
4人は廊下を展示室まで歩くと、カンナが扉を開くのを待った。
「中には既に6人の警官が警備していました」
「これが展示室……。思ったより狭い」
「本来美術品の展示は1階のメインホールで行われる。しかし今回はこちらに
移した。狭い方が警備もしやすいからな」
「なるほど。それで指輪は」
「今は撤去していまいましたが、ここにあった防弾ガラスのケースに……」
「そして24時間後、礼状がケースの中から発見された」
「そうです」
「するとやはり、そのドライバーがムーンライト……」
「その可能性が高いと思われます」
ジェシカは突然ポケットから携帯のようなものを取りだし、アンテナを伸ばす
とスイッチを入れた。すると一定のリズムでアラーム音が鳴り始めた。
それを見たカンナが、興味津々といった感じで近づいた。
「ジェシカさん。それ、なんですか?」
「これ? これは盗聴器を発見する機械よ」
「盗聴器発見器? ですか……」
「もし仕掛けてあったら、こちらの作戦が全て向こうの知るところとなる」
「はぁ、でも盗聴器なんて」
その時アラーム音の間隔が狭まり、どんどん早くなっていった。
そしてジェシカはカーテンの裏から、黒い小さな盗聴器を発見した。
「ホントに……」
カンナは目を丸くして驚いた。

盗聴器は3階の展示室と館長室、1階と2階の事務所から1つずつの、計4つ
が見つかった。
「すると警備体制や人員配置、そして宝石の搬入時間も、すべてが月光に筒抜
だったわけか……」
「残念だが、そういうことになるな竜胆」

そして翌日、ダイヤを運搬した車のドライバーが廃屋で発見された。彼に怪我
はなかったが、縛られていたため発見が遅れたのだ。
彼から取った調書では、突然誰かが車の前に飛び出し、人を轢いたと思った彼
が車から降りると倒れていた人間が起き上がり、彼を気絶させた。気が付くと
廃屋の中で縛られていた……。と言うことだった。
調書にはドライバーの証言として、こんなことも書かれていた。
>>>その時は確かに轢いてしまったと思った。あんなことが出来るなんて、
まるでサーカスでも見ているようだった>>>

「サーカスだと……。月光が軽業師だとでもいうのか」
「でも残念ですねぇ。いくら暗がりから飛び出したとはいえ、もう少し人相や
風体が分かれば……」
「あぁ、まったくだなカンナ」
その辺は竜胆も同じ意見らしい。
「当たり屋のように轢かれて見せ、当て身でドラバーを気絶。あとはその場で
入れ替わり、何食わぬ顔で偽のダイヤを届ける。まったくやられたよ」
その時ジェシカが2人に歩み寄った。
「今までも分からなかったことが今も分からない。プラスマイナス0だ」
それは優しさからか負けず嫌いからか、竜胆には分からなかった。

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怪盗ムーンライト
2013-05-15 Wed 06:19
23
「とにかく竜胆、考え方の違いこそあれ、私たちは手を組むしかない。私も射
殺は最終的な手段と考えている。まずは奴を追い詰めることが先決……」
「私もそれには賛成だ」
そこで2人はようやく固い握手を交わした。

「ところで竜胆、ムーンライトは今回『ルパンの涙』を盗んだわけだが、あの
宝石にはあと2つ、『アルセーヌの瞳』と『クラリスの首飾り』という宝石
が、セットのようになっているのを知っているか」
「知っている。『アルセーヌの瞳』は世界最高美と言われるルビー。『クラリ
スの首飾り』は至高美の首飾りと言われ、ダイヤ、ルビー、エメラルドを散り
ばめたネックレスだろう。まだ見たことはないが」
「そうだ。この3つをルパンの宝石という呼び方をする者もいる」
「つまり月光はその2つも狙うと……」
「ゲッコウ……?」
「あぁ、あたしはムーンライトをそう呼ぶ。その方が言いやすいから」
「ふっ、まぁいい。ヤツはその2つを120%狙っている」
「なぜそう言いきれる?」
「理由は2つ。1つは『アルセーヌの瞳』と『クラリスの首飾り』が、今この
日本にあり、そして同じ美術館で展示されるということだ」
「しかし今まで月光は年に1度しか仕事をしていない。それも同じ美術館を
狙ったこともない。今回の七海美術館が特殊な例だ」
「確かに、それがヤツの逮捕を困難にしている。だがもし、ヤツがルパンの宝
石は3つで1つと考えていたら?」
「なに?」
「もし3つで1つと考えるなら、ヤツはまだ3分の1しか仕事をしていないこ
とになる」
「じゃあと2回……、月光が現れると……?」
「わたしはそう睨んでいる。そして2つ目の理由は資金援助だ」
「資金援助……」
「今回犯行が行われ、本来ならどこかの国の施設に多額の資金援助がされても
いいころだ。しかし今回はそれがまだ行われていない」
「そうか、資金援助は3つの宝石を手にしてから……、ってことか」
「そうだ。当然そのほうが額も釣り上がる」

確かに彼女の言うとおりだ。そう考えるならば、月光があと2つの宝石を狙っ
ているというのも頷ける。もし今まで通り次の犯行が来年になるというのなら
まだしも、まだ月光が現れる可能性があるのなら、ここはそれに備えるべきで
はないだろうか。
ジェシカ・アンダーソン……。この女、正直好きになれないが、なかなか使え
そうではある。さすがはICPOといったところか……。
竜胆は内心、彼女のことを見直していた。

「竜胆、わたしを今回犯行の行われた七海美術館に連れて行ってくれないか」
「わかった」
竜胆とジェシカ、そしてヒロミとカンナも車に乗り込み。4人は七海美術館へ
と向かった。


「これが七海美術館か」
駐車場に止めた車から降り、ジェシカは美術館を見てそう言った。
「当日、宝石を運んだ車もこの駐車場に?」
「そうです。ちょうど今この車を駐車しているところに。あたしとヒロミさん
も警備に付いてましたから」
ジェシカは辺りを見回しながら、建物へと近づいていった。

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怪盗ムーンライト
2013-05-12 Sun 07:28
22
すり替えられたダイヤ、『ルパンの涙』が偽物と判明した翌日。
『怪盗ムーンライト特別捜査本部』へと向かう1人の女がいた。
彼女は肩より長い金髪をサラサラとなびかせ、その意志の強さを物語るような
瞳は青かった。白いシャツにタイトなスカート。スラリとした美しい脚線は、
特別捜査本部への廊下を小気味よく歩いていく。
そんな彼女の瞳に、前から歩いてくる望月カンナの姿が映った。
「sorry……」
「はい、なんでしょう」
カンナは署内では見慣れない外人に、ちょっと緊張しながらも応えた。
「ムーンライトの捜査本部って、このフロアでいいのかしら?」
「はい。それでしたらもう少し先ですけど……、えぇっと、あなたは……?」
「あたしはジェシカ・アンダーソン。ムーンライト逮捕のために、ICPOから
ここに派遣されてきました」
「あ、あいしーぴーおー? ……って。あっ、どうぞ、こちらです」
カンナは踵を返すと、ジェシカ・アンダーソンを捜査本部へと案内した。

「り、竜胆さん、ICPOから、ジェシカ・アンダーソンさんがお見えです」
「ICPO?」
その声に竜胆が振り返った。その視線はカンナの後ろに立つ、金髪女性に注が
れている。
「はい、こちらが……」
「ジェシカ・アンダーソンです」
歩み寄るジェシカに、竜胆が立ち上がった。
「竜胆です。よろしく」
「あなたが竜胆。ムーンライトに2度も逃げられたという……」
「はぁ?」
竜胆の目が、ジェシカを睨みつけた。
「3年前と今回。今回はあたしの到着が遅れなければ……。本当に残念です」
「なぜ遅れたのです」
「NYで起きた連続射殺事件の犯人が、人質を取って立てこもっていたもの
で。現場の指揮を執らねばなりませんでした」
「なるほど。で、ちなみにその犯人は」
「狙撃部隊により射殺されました。わたしの指示です」
「そうでしたか……。ムーンライトは人を殺しません」
「しかし必要とあらば、狙撃、射殺もやむをえないでしょう。私はいつでもそ
のつもりですし、それがquick」
「quick……?」
「手っ取り早い。なにもヤツにむざむざと、国宝級の絵画や宝石を盗ませておく手はない」
「しかし……」
「チャンスがあるならさっさと終わらせたい。こんなTagは」

2人のやりとりを聞いていたカンナは、いつの間にか隣に来ていたヒロミに気
が付いた。
「あっ、ヒロミさん。聞きました? 今の」
「うん。聞いたわ」
「Tagってなんです?」
「そっち? Tagは鬼ごっこのことよ」
「鬼ごっこかぁ。そういえばヒロミさんも前にそんなこと言ったことありまし
たよね。鬼ごっこを終わらせたいとかって」
「でもあたしは射殺なんて考えてない。それにあたしが言ったのは、色々な事
件が起きる中で、ムーンライトだけ追いかけていられないって意味で……」
「そうですよね、なにも射殺することないですよね」

「とにかくここは日本。相手が銃を携帯しているならともかく、丸腰の相手に
射殺はありえない」
「だから2度も逃げられたんじゃなくて? 竜胆」
竜胆は青い瞳と睨み合った。

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怪盗ムーンライト
2013-05-11 Sat 06:58
21
『ルパンの涙』が盗まれた夜。七海と奈緒子は館長室で舌を絡めていた。
「やっぱり向こうが一枚上手だったわね、奈緒子」
「そうですね、今回も逮捕には至りませんでしたね」
2人は既に全裸だ。
しかも七海の腰には、黒いベルトで肌色のディルドが固定されている。その太
さは4センチ弱はありそうだ。
「今夜はこれで可愛がってあげるわ……。さぁ、お舐め。跪いて舐めるのよ。
自分の中に入るコレを、自分の唾液でヌルヌルにしなさい」
「はい……」
奈緒子は仁王立ちになった七海の前に跪くと、口を開けてディルドをしゃぶっ
た。全体に舌を這わせ、唾液をジュルジュルと塗りつけていく。
「そうよ、いい子ね。じゃ、その机に手をついて」
奈緒子は七海に背を向けると、机に肘をついて腰を直角に折った。
七海は奈緒子の脚を広げさせ、唾液でヌルヌルになったディルドを持って腰を
近づけると、その先端を奈緒子の蜜壺に合わせた。
「あたしの唾もたっぷり垂らしてあげる」
七海は唇を窄めると、そこから唾液をポタポタとディルドの上に垂らした。
「あたしの唾と奈緒子の唾が、中でグチュグチュに混ざり合うのよ」
「あぁ~、館長、なんてイヤラシいの……」
「じっくりと犯してあげる」
両手で奈緒子の腰を持つと、ゆっくりと腰を押し進めた。
「あぁっ、あっぁぁ~ん」
ディルドがズブズブと潜り込むにつれ、奈緒子の花びらがひしゃげ潰れた。
「あぁぁ~、大っきい……、あぁぁ~、あぁぁ~ん」
七海はディルドをズブズブと奈緒子の中に根本まで突き刺した。
「どう? 太さも長さもたっぷりでしょう」
「あぁホントに、ホントに大っきい。もうあたしの中がイッパイになってる」
「でもそれが堪らなくなるのよ。ほらっ」
七海の腰が逆に動き始め、ディルドがヌルヌルと抜かれ始めた。ひしゃげてい
た花びらが、今度は外に向かって捲れ上がる。
「ふふふっ、どう?」
「抜かれるときも……、擦れて……、あぁ感じるぅ」
「そうよっ、一番太いカリの部分が擦れて、凄くいいでしょう?」
七海は試すようにディルドを2~3回抜き差しした。
「は、はい、あぁ、あぁいいぃ、あぁぁ、あぁぁん、あぁぁ~ん」
「もうすっかり濡れて、滑りがよくなってるわ」
「だってぇ~」
「さぁ、そろそろヒーヒー言わせてあげましょうねぇ」
七海は両手で奈緒子の腰を掴むと、リズミカルにディルドを前後させた。
机に突っ伏して動けない奈緒子は、その全てを受け入れていく。
「あぁん、あぁっ、あぁぁっ、あぁぁ~ん館長ぅ、あぁぁ~だめぇぇ」
「なにがだめなの? こんなに感じてるクセに。んん? 奈緒子」
「だってぇ、あたしの中イッパイに、あぁん、はぁっ、あぁ凄いぃ、凄いっ」
「そう、奈緒子が中がイッパイ。隅から隅まで犯してあげる」
「いやぁ、いやいやぁぁ~」
「ふふふっ、お前はこの極太のモノで犯されるの。それも後ろから串刺しにさ
れて。時間を掛けてたっぷりと虐めてあげようねぇ~」
「いやっ、そんなのいやよぉ」
「嫌って言っても、ほらっ、ほらっ、もうどうしようもないわねぇ」
「あぁぁ~館長、逝っちゃうぅ、逝っちゃうぅぅ~」
「まだよ、お尻の穴に指を入れて……、ほぉ~らっ、グリグリ」
ズッポリの差し込まれた指が、奈緒子のアナル性感を刺激した。
「あぁ、そんな……。ひぃぃっ、だめっ、逝くっ、逝く逝く逝くぅぅ~」
「ほらっ、逝きなさい奈緒子。後ろから見ててあげる」
そしてディルドの抜き差しが速まり、奈緒子を一気に絶頂へと突き上げた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-08 Wed 19:18
20
上になった小夜は、円香の花びらを拡げ肉芽の皮を剥き上げた。そしてそこに
舌を伸ばし、チロチロと舐め続けた。
「あぁっ、あぁぁ~ん、お姉様ぁ~ん」
下になっている円香は、小夜の肉芽を舐めながら、右手の人差し指を蜜壺に、
中指をアナルへと差し込み、ゆっくりと抜き差しを繰り返していた。
「あぁ~円香っ、そう、アナルも一緒に、あぁぁ、あぁぁ、あぁぁん」
「お姉様、ルパンの宝石の残りの2つ……」
「アルセーヌの瞳とクラリスの首飾り?」
「うん。それも盗むって本気?」
「そうよ、どうして?」
「だって、今まで年1回だったじゃない。それを続けて3回だなんて」
「あぁ、なるほど。そう思うのも無理はないわね」
「うん……」
「あたしはね、ルパンの宝石は3つで1つだと思ってるの。涙と瞳と首飾り。
これで1セット」
「そうなの……?」
「こんなこと思うのはあたしだけかも知れないけど、クラリスの首飾りを見た
ルパンが、ルビーのように瞳を赤くしてダイヤの涙を流している。そんな場面
を想像するのよ」
「へぇ~……」
「だから3つ揃ってやっと1つなの。今ならこの3つがあの美術館に全てある
わ。このチャンスを逃すと、3つはそれぞれ別の美術館にいってしまう」
「それで今……、ってことか」
「そう、でも大丈夫。あと2回も作戦は完璧よ」
「さすがお姉様」

円香は指の抜き差しを早めた。
「あぁ~ん、もう円香ぁ、感じちゃうぅ」
負けじと小夜も円香の肉芽に吸い付いた。
「あぁぁ~、あぁ逝っちゃうっ、逝っちゃうっお姉様」
「まだだめっ、今日はあたしを先に逝かせてちょうだい。あたしが逝くまで
円香は逝っちゃだめよ」
「えぇ~、そんなぁ、あぁん、あぁぁ~、もうこんなに逝きそうなのにぃ」
「うふふっ、あなたの快感をそのままあたしに頂戴……」
「もう、お姉様ったらぁ」
円香は肉芽を舌先で嬲りながら、2本の指を根本までギュッと差し込むと、薄
い肉壁を隔てて自分の指を擦り合わせ、中でグリグリと躍らせた。
「お姉様を逝かせるなんて簡単なんだから……。お姉様の奥のここ。ここを指
先でクリクリすると……、すぐ逝っちゃうでしょう」
「あぁぁ~ん、そう、そこ、そこよ円香。あぁぁ~ん感じちゃう。あぁぁん、
もっと、もっとして……」
「ほぉ~ら、ここ。ここが感じる。ほらほらほらっ。ましてやアナルと一緒
じゃ、我慢できないわねぇ、お姉様ぁ」
「あぁぁ~んそこ、そう、そうそう、あぁぁ~逝っちゃうぅぅ。あぁぁ~逝
くぅ、逝くっ、逝くっ、逝くぅ~」
絶頂に達したことを知らせるように、小夜の全身がガクンと震えた。
「はぁ、はぁ、もう円香、相変わらず上手ねぇ」
「だって、お姉様の体は知り尽くしてるもん」
「あたしもだって円香の体は知り尽くしてるわ……。さぁ、約束通り逝かせて
上げる。うんと焦らしてね」
「もう、お姉様のイ・ジ・ワ・ル~」
円香は嬉しそうに言った。

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怪盗ムーンライト
2013-05-05 Sun 07:42
19
5月1日午前2時。小夜と円香は、全裸で1枚の毛布にくるまっていた。
「うまくいったわね、お姉様」
「そうね」
「あいつら今から24時間厳重警戒で警備よ」
「あいつらなんて、そんな言い方やめなさい円香。別にあたし達、警察に恨み
はないはずよ」
「そうだけど……。ダイヤはもうここにあるのに、ずぅ~っと偽物の警備なん
て、笑っちゃうわ」
「もう、いい加減にしなさい」
小夜が優しく言った
「だって、せっかく運搬車の前に飛び出してドライバーと入れ替わったのに、
誰もあたしに気が付かないんだもん。でもあたしを展示室まで案内してくれ
て、ガラスケースまで開けてくれたことには感謝してるけどね」
「ドキドキした?」
「うん。でもそれは車の前に飛び出した時と、礼状を布の下に入れた時だけ」
「まぁ、たいした自信ね」
「みんな窓や天上ばっかり見て、こっち見てないんだもん。竜胆って呼ばれて
た刑事? 彼女が時々こっち見てたけど、うまく体で死角をつくって」
「竜胆、竜胆晶ね」
「知ってるの? お姉様」
「そうね。3年前の今日。同じあの美術館から『バビロンの乙女』っていう絵
を盗んだときにちょっとね」
「あぁ、あの時。あの時はあたし出番無かったからなぁ」
「知ってるって言っても、向こうはあたしの顔も知らないけどね」
「逆に素顔の方がバレなかったりして」
「そうかもしれないわね」
「うふふっ、お姉様ぁ~」
円香の頭が毛布に潜り込み、小夜の乳首に吸い付いた。
「あぁん、もう円香ったら急なんだからぁ」
円香が吸い付いた乳首を舌で転がした。
「うふっ、ほらっ、お姉様もうコリコリ」
「あぁっ、あぁぁ~ん」
「ねぇ、お姉様、ルパンの宝石は全部で3つあるんでしょう?」
「そうよ……。究極美のダイヤが『ルパンの涙』。最高美のルビーと言われる
『アルセーヌの瞳』。そして至高のネックレスが『クラリスの首飾り』よ」
「あと二つはどうするの?」
「勿論いただくわ」
「さすが、怪盗ムーンライト。そうこなくっちゃね」
「次は『アルセーヌの瞳』。場所は同じ七海美術館よ」
「それで、今度はどうやって?」
「それはあとで説明するわ。それより今は……」
「もう、お姉様のイジワル……」
「あら、円香がソノ気にさせたクセに。そうでしょう」
小夜は毛布を一気に払いのけると、円香と入れ替わるように上になった。
そして180度向きを変えると、円香の股間に顔を埋めた。
「あぁ~ん、お姉様ぁ~」
そして小夜は、自分の股間を円香の顔に押しつけるように近づけた。
するとスグに蜜壺を舐め上げる円香の舌を感じた。
「あぁ~、そう、そうよ、円香。ここも舐めて……」
そう言って円香の肉芽を舐める。
すると円香もそれに呼応するように、小夜の肉芽を舐め始めた。

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怪盗ムーンライト
2013-05-04 Sat 08:44
18
ダイヤは防弾ガラスのケース内に入った。
このガラスを砕くにはマグナムクラスの拳銃がいる。美術館の内外に設置した
監視カメラも、今のところ怪しい人物を捉えてはいない。
ドライバーがジュラルミンケースを開け、ダイヤを手袋で持ち、目の前の台座
に置くまで、竜胆や警官達は拳銃を構え、窓の外、ドア、天上や床など、あら
ゆる場所を警戒していた。
無事にダイヤがケース内に入ると、竜胆の合図で拳銃を腰に戻した。
この時点で日付は5月1日、午前0辞3分になっていた。
「これで一安心ですね」
「もうカンナったら、何言ってるの」
ヒロミがヤレヤレといった感じで答えた。
「ムーンライトが予告したのは5月1日。つまり勝負はこれからよ」
「その通り、今から24時間が勝負だ」
竜胆ら3人は、そのまま展示室内の警備に付いた。

しかしやがて朝になり昼が過ぎ、夜になっても何も起こらなかった。

「竜胆さん、ムーンライトは諦めたんでしょうか」
「そんなはずはないと思うが……」
「でも、あと10分で明日になっちゃいますよ。それともあと10分で盗み出す
つもりですかね?」
「確かにそれも考えにくいが」
ダイヤはガラスケースに入ったまま1ミリも動いてはいない。また外の監視カ
メラが怪しい人物を捉えたという報告も、1回も受けてはいなかった。
そして時計は5月1日の終わりを告げ、日付が変わった。
「竜胆さん」
「ヒロミ、カンナいくぞ」
3人は展示室中央のガラスケースに歩み寄った。
竜胆が指紋認証のタッチパネルに指を押しつけ、ガラスケースを上げた。
どこから見てもダイヤに異常はない。24時間前に置かれたままだ。
「ムーンライトはどうしたんでしょう? 竜胆さん」
「わからん……」
「きっとあたし達の鉄壁の警備に恐れを成して諦めたんじゃ……」
「そんなヤツではないと思うが……。取り敢えずはダイヤを鑑識……」
「あれっ? 竜胆さん。ここ……、何かあるみたい……、ですけど」
カンナが赤いベルベットの端を指差した。
「なんだカンナ、どうした」
「ここです、ほらっ、なんか段が付いています」
見れば確かに、台座に掛かった赤いベルベットの下に何か薄いものが差し込ま
れている。
竜胆がベルベットをまくると、そこには見覚えのある赤い洋封筒があった。
その表には「礼状」と書かれ、中には三つ折りになった便箋が見える。
「これって、ムーンライトの赤い封筒じゃ……」
驚くカンナをよそに、竜胆は便箋を引き抜くとそれを広げて読んだ。

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『ルパンの涙』 は我が手の中に。
この手に抱かれし物は全て消えゆく。
それが運命。

怪盗ムーンライト

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怪盗ムーンライト
2013-05-01 Wed 06:00
17
七海はテーブルに縛り付けられた、奈緒子の肉芽を人差し指で擦り始めた。
肉芽はその根もとをたこ糸で縛られ、敏感の極みと化したままプリプリに膨ら
んでいる。
その肉芽の上を、七海の指先が小刻みに往復し始めたのだ。
「はぁぁ~、ひぃぃ~、い、逝くぅ、逝く逝く逝っちゃうぅぅ~」
「敏感過ぎるここを擦られて……、あぁー逝きそうねぇ、奈緒子。ほらっ、
ほぉ~らっ逝くっ、ほぉ~らっ」
「あぁ~そんなことされたら。逝くっ、逝く逝く逝く逝くっ、あぁ逝くぅ~」
「あぁー堪らないねぇ。ほぉ~らっ、ほぉ~ら逝くっ、ほぉ~らどうだ」
奈緒子の全身はガクガクと震え、まるで逝っているように感じている。しかし
それでも最後のトドメを刺されず、仰け反り悶えているのだ。
「逝くっ、逝く逝くっ、あぁ逝かせてっ、あぁ~だめっ、逝く逝く逝くぅ~」
「んん~、逝きたくて堪らない体をジックリと焦らして……」
「あぁぁ~いやっ、逝くっ、逝くっ、逝く逝く逝くぅ~あぁだめっ、お願いっ
逝かせて、もう逝かせてください。あぁぁ~逝かせてぇぇぇ~」

七海の指嬲りはそれから2時間にも及んだ。そしてようやく奈緒子は天国のド
アを開くことを許されたのだった。


そして1週間が過ぎ、ムーンライトの予告日した5月1日、いや正確には5月
1日になる20分前になった。
今回のことで美術館は、明日は休館となっている。

真夜中の美術館は物々しい警戒態勢が取られ、おびただしい警官が配置につい
ていた。
そんな中、ダイヤを運ぶ車がパトカーに囲まれ館内に入ってきた。
ドライバーは1人。所定に位置に車を止めると後ろの扉を開けた。
「どうもすみません。こんな時間に配達をお願いして……」
竜胆はドライバーに苦笑混じりの顔を向けた。
「いえっ……」
ドライバーは荷台から、ダイヤの入ったジュラルミンのケースを手にした。
警官がそのケースを受け取ろうとしたが、それを竜胆が制した。
「いや、そのままでいい。お願いします」
竜胆はドライバーに軽く頭を下げた。
結局ジュラルミンケースはドライバーが持つことになった。
「いいんですか、竜胆さん」
先頭を歩く竜胆の横に寄り添い、カンナが心配そうにたずねる。
「あぁ、とにかくケースに触るのは最少人数にしたい」
ドライバーは4人の警官に前後左右を囲まれ、そのままエレベーターで3階へ
と上がり、展示室のドアの前に立った。
「ちょっと待って」
竜胆は両手を拡げみんなを止めると、安全を確認しながらドアを開けた。
中には6人の警官が待機し、彼らが竜胆に敬礼をした。
「どうぞ……」
ドライバーは4人の警官と共に展示室内に入った。これで室内には竜胆とヒロ
ミ、カンナ以外に10人もの警官がいることになる。
そんな中、ドライバーはガラスケースへと誘導された。
先頭の竜胆が指紋認証のタッチパネルに指を押しつけた。するとガラスケース
が上がり、赤いベルベットの掛かった台座にダイヤを置くことができるようになった。
ドライバーは白い手袋をしてダイヤを持ち、台座にダイヤを置いた。
「これが『ルパンの涙』か」
それを確認した竜胆は、タッチパネルの横にあるスイッチを押した。すると上
がっていたガラスが再び元の位置に戻った。

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